「ふぁ〜〜〜」
 
隣でゲームをしていた快斗は大きな欠伸をした。
見れば、目も擦ってかなり眠そうだ。
時計に目をやれば、既に1時を回っていた。
 
「眠いんやったらベッド行かなアカンで?」
「眠いけど…まだ起きてる」
「明日休みやけど無理したら身体に悪…」
「だって平次まだ起きてるんだろ?」
「へ?」
 
ポカンとして快斗を見ると、何故かご機嫌斜めでパチッとゲームの電源を切った。
そしてそのまま快斗は寝室へ無言で消えて行った。
平次はそこで漸く快斗が無理して起きている訳を理解した。
開いていた推理小説にしおりを挿ませ、平次はソファから立ち上がった。
 

「快斗?」
 
既に狸寝入りしている快斗は返事をしない。
平次は構わず布団に潜り込んだ。
 
「か〜い〜と」
 
尚も名前を呼ぶが、不貞腐れた快斗から返事はない。
平次は構わず名前を呼んだ。
 
「快斗」
「………」
「快斗?」
「………」
「返事せんとキスするで?」
「…アホ」
「やっと口聞いてくれた」
 
平次は快斗をギュッと抱きしめた。
お風呂から上がって随分経つので手足が冷え切っていた。
 
「こんなんなる前に寝ればええのに」
「…だって…」
「寂しかったんやろ?」
 
最近はお互いレポートだ事件だと忙しくて、一緒に寝る時間がほとんど無かった。
特に平次の帰りが遅いので、快斗が先に寝ているという事の方が多かった。
快斗は足でも背中でも身体をくっつけて寝たがるので、一人寝は寂しかったに違いない。
明日は折角の休みだから、多少遅くまで起きていても一緒に寝たかったに違いない。
口には出さなかったけど、自分が本を読み終わるまで待っていたのだろう。

一言言ってくれればいいのに…
平次は愛しい恋人を再び抱きしめた。
 
「明日…一緒に遊びに行こうな?」
「…しょうがねえから行ってやるよ」
「おおきにv」
 


久々に快斗と背中をくっつけて眠った。

今日はとてもいい夢が見れそうだ。